日記

とみいえひろこ/日記

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2022.10.30

今日見たのは エドワード・ホッパーの絵のなかに出てきそうな二人。バス停のそば。正面を向き、腰に手をあてた妊婦。すこしくすんだ黄色いセーターみたいなワンピースを着たおかっぱの人。その隣に車椅子に乗っためがねの人。グレーっぽい、すこし寒そうな格…

2022.10.29

息子とふたりきりになると、後ろめたさからこう話しかけた。 「最初、あんたのこと好きじゃなかったし、いまもそうで、ロバートなんて呼んでるし。ほんとにかわいそうな子」 残念だけどどうしようもない。とにかく好きになれなかった。傷つきすぎていた。疲…

2022.10.29

意味が伝わらなければいけない、形式に沿っていなければならない、決まりごとをまもらなければならない言葉のほうについて。態度や様子や悲鳴や、その場で生まれて消えるのではない言葉のほう。口で伝える言葉、書く言葉、というのは、檻のようだと思った。…

2022.10.22

第一ホテル、というので単体で街のなかにある建物だと思い込んでいた。第一ホテル13階のレストラン。スマートフォンの地図で見たとおりなら、かなり近い場所にいるはずなのに、そんなホテルはない。信号を渡り、歩道橋を渡り、大きな駅にまた戻る。エスカレ…

2022.10.22

でも、私が入るのは当事者会ではなく、家族会だなと思う。どこにいても自分だけちょうど余分で場違いな感じがある。これはずっとつづく。あなたでもなく、あなたでもなく、あなたでもなく、あなたでもなく、内部でもなく、残ってはみだす分が私だからだ。ど…

2022.10.20

少しずつ、まもりたい優先順位を選ぶようにしている。これは、気持ちの問題というより、そういう状況になってきたということだとおもう。自分で考えて決めた優先順位を素直に選ぶことを切望していたし計画通りといえるのかもしれない。優先順位の下のほうは…

人は約束をしてしまう

もしぜんぶ駄目になったらゆく沼のひとつを今朝はふかく愛せり ほつほつと話したことのないことを落ちた実を眺めながら思うも 約束のちぎれながら咲くさるすべり忘れたものと思っていたが あの頃のようにあなたはひとりきり三角座りに煙草など吸う 母の真似…

2022.10.17

いつかは出ていかないといけない、いっときだけのこと というのと、自分にとってトラウマティックな状況を慎重に見つめ直そうとしながら経験し直す、という意味もある、というのと、 自分だけの目的が決まっている。そういう場所だから前のめりにもなる。興…

2022.10.14 デルフィーヌ・オルヴィルール 臼井美子/訳『死者と生きる』(早川書房)

繰り返し何度も語られた物語を語るすべを知り、初めて聞く人にその人自身の物語を理解するためのまだ知られていない鍵を与えること、それがわたしの仕事である。 まだぜんぜん途中だし他のことを考えながら文字を追っているだけだけど(ふわふわするのを落ち…

2022.10.14

さいきん自分は「交渉」ということをよくしていたり、しようとしている気がする。相手にそれをみようとしているように思う。少し前までは「駆け引き」だと思っていた。駆け引きというか、駆け引きという言葉の意味をとりまちがっているかもしれないけれど、…

2022.10.12

かなりぎりぎり、時間がとてもない、いくつかの苦手なこと、時間のかかること、考えること、進めること、時間をとられると感じること、なんとか間に合ってはいる。午前中もぜんぜん無駄なミスが多くて、ぜんぜん。細かいところをたたいていけば、これらがで…

2022.10.10

七人一緒に髪をのばしているんだろうか わたしはなんにも変わっていないのに、見ているわたしまでほんとうに遠くまで、戻れないところまで来てしまったみたいだ。一緒に、ぜんぜん異なった、別々の星で。 肩にかかったところからくるんと外を向く髪束、みず…

2022.10.07

状況や前提のぜんぶがどれもずれていて、そのことをちゃんと分かっておらず、暗黙の了解が私には見えていなかったことがあって(見えていたのだろうけどそんなのに了解するのはありえないという暗黙の了解で返していたつもりだった。わたしたちははじめから…

2022.10.02

課題があって制作をした。卒業制作みたいですごく楽しかった。ものすごく時間がなく、なぜか間に合った。なぜか間に合うとは分かっていたけど、もう少しいきたかった。すきまに少しでもほかのものをじりじり進める。考える系の作業のものもじりじり進める、…