日記

とみいえひろこ/日記

2021.04.04

確定申告まで辿り着くことが出来、今日はなんにもしていない。ほとんど本を読み散らかしていた。しかもさらにネットでたくさん買ってしまった。ほんとうはできれば手をつけたいことが山ほどあるけれど、もう無理、と思う。何もしない、というのも無理で、何かするためだけに本を読んでいた。

きのうの夕方コピーをとりに外へ出た帰りに、ふらふら古本を買ってしまった。レジ前に金井美恵子『愛の生活』があったからそれも買ってしまった。何度買い直すのだろう、金井美恵子の文章をはじめて読んだのは中学か高校のときで、この人からどんどん自分の好きなもの自分の読むものを辿っていったと思う。そういう人が何人かいて、わたしには意味のある人なんだと思う。

いくつかの歌集を、立ったり座ったりうつぶせになったりしてすごく早く読んだ。歌集を読む、というのは自分にはすごく難しいことだと思う。同時に、気が散りやすい自分をその表現のしかたでもって一首を読む時間くらいは縛り付けてくれる、ような気がするときがある、とも思う。わたしにはまともにゆっくり読むなどということは出来ない、と思いついたときがあって、早く読んでもいいことに、いつかした。

ふっと、一首を読む時間くらいは集中できるようになるのかもしれない。憧れのようななつかしさのような感覚、一度でもここに書いてある何かの意味を理解したと感じたあとの戻れなさの感じ、今、われを失って集中していたのではないかとはっとする感覚、ながいながい推敲のあとの時間の現れの感じ。そのような不思議な時間に促され、包まれ放り出されてひとりになって、集中できるようになるのかもしれない。

岡真理『ガザに地下鉄が走る日』を噛み締めるように読んだ。