2022-03-26 2022.03.26 日記 書かないことを書かないための 拓郎には、比喩というものを長い間「比喩」のままに受け入れておく、そのような知性の回路がなかった。「あの人は、根本のところで女と同種」と思い込んでしまうことが、拓郎の理解だった。それが勝哉に、時々「自分はグロテスクな生き物なのかもしれない」という理解を与えてしまう。 橋本治「暁闇」『夜』(集英社)