日記

とみいえひろこ/日記

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2022.12.26

今日のように ポケットのように、時間を持つことが出来たら、それでぜんぶ解決するのではないか。と思ってしまう。自分の陥りがちな癖など、位置など、ちゃんと考えたい。何も深さがなく、妙に複雑になってしまっている、長く。まったく簡単なことなのに、と…

2022.12.26

突き放して、 もうすこし、もっと向こうに置いて見たい。手で退ける。手、こんなになってしまった。もっと向こう。 ちゃんと見たいから。見た、見た、見た。くっつきすぎてしまって、あわれに見える、みじめに見える。嘘くさい、そういう、答えが欲しいのじ…

2022.12.20

小林美代子『蝕まれた虹』(烏有書林) 雲が落ちていて床に それを拾うわたし、拾わないわたし。拾わないわたしは生き延び、拾おうとしたわたしは雲を見続けて、駄目になってしまった。駄目に。誰にとっての駄目に? 最近戦争の本ばかり読んでいる、と思う。…

十月の窓辺

しみしみとピーマンを焼く夕方に痛むところを探りあてたく みぞれのにおいウォッカのにおい混ざり合う記憶のどこかしんと静かに 花、秋のはじまりに似合う花ゆれる離れた場所ですばやく簡素に 舌打ちに満たない音を響かせて犬が水飲む秋のめぐりに 爪と爪ふ…

2022.12.18

野口裕二『ケアとしての物語 ナラティヴ・アプローチの世界へ』(医学書院) 「シリーズ ケアをひらく」の本で、何度か読んでいる。 今わたしがしていることは「ベッドサイド・カンファレンス」だ、と思って安心した。 患者に関するさまざまな情報や今後の看…

2022.12.17

音声でガイドをつけたら速く走れて嬉しい。基本的に2日に1回走っているので、走らない日も朝1時間くらいはひとりの時間にしたい。と、仕事などが落ち着いてきたらいつも思う。 高柳蕗子さんがどこかで書いていた、それぞれの理由で短歌をひっそりやめる人の…

2022.12.13

1年に何回か、全部の疲れが溜まって眠る。抱えているものがそろそろ終わりそうになって、先が見えてきたときあたりに来る。年末に多い。10時間を超えて眠って、翌日起きたら痛みや気持ち悪さがすこし分離して、部位ごとに感じられるようになっている。それぞ…

2022.12.08

そのひとの手には まだ若さがあった 待つことのきずあとが 深く残る 手だけれど ひとの二倍も 時間にいためつけられた 手だけれど。 血の気のうすい白い手は 黒いドレスによく映えた。 中庭に独り坐って 沖に消える船の一隻一隻を 見つめていた。 「夕べの横…

アーサー・クラインマン  江口重幸 五木田紳 上野豪志/訳『病いの語り 慢性の病いをめぐる臨床人類学』(誠信書房)

アーサー・クラインマン 江口重幸 五木田紳 上野豪志/訳『病いの語り 慢性の病いをめぐる臨床人類学』(誠信書房) 慢性であるということは、単に、ある孤立した個人のなかで起こっている病理から直接の結果として生じるものではない。それは他者との特有な…