日記

とみいえひろこ/日記

日記 書かないことを書かないための

2024.04.20

しかし彼女は既に、ただ自らの勇気に心を向けるようになっていた。 グレイス・ペイリー 村上春樹/訳「庭の中で」 自分の見積もり・見通しが現実にそぐわず甘過ぎて、ぜんぜん、ものすごくスローにスローに、微々たる進み方で、1週間ほど。 ただ、そのひとの…

ピエール・パシェ 根本美作子/訳『母の前で』

けれどもわたしはこのリストに何か欠けているような気がする。そしてそれが何なのかをはっきりさせ、それを定義する責任が自分にあるような気がする。そうでなければ、わたしは最後まで自分の役目を果たしたことにならないだろう。 ピエール・パシェ 根本美…

2024.04.16

ずーっと曲を流していた。分からず、当面は何の意味もない、何にもならない、しかたのないこと、どう付き合ったらよいのか分からないこと、絵、の張りつく感じが自分のタイミングによって強まる。無意味を別のチャンネルをもつもので流したりくるんだりして…

2024.04.13

・わたしは先生を欲しがっているみたい、さまざまな折に。肉体と精神を整えて求道的な生活に身を捧げることをできるところまでできるなら、目の前のごちゃごちゃしたことはすべて平らかになるべきようになるはずだ、という大ざっぱな目論見を持っているみた…

2024.04.13

中年のジュリエット・ビノシュの映画、きのうのつづきで朝観ていた。今日は一日なんでもないけれどもなんだかその存在感、あの、溜め、の感じが心にあった。夕方、今までで最速に走れたので嬉しかった。理由はわたしたちだけが知っている。 ここ何日か頭にあ…

2024.04.11

髪の毛の絵を描いたので、人の髪が目に入る。道路沿いの夜の光のなかの金髪、短髪、前髪短い子、目の大きな。長髪、ふわっとした黒髪。玉出の入口はサイバーパンクな風景っぽい。狭く暗い、汚い空間で、鏡張り。その前に行った買い物で、ふわっとした疲労感…

2024.04.11

音声日記をはじめたら、自分がどれだけ頭のなかで延々と話しつづけているのかが少しわかった。話している、怒っている、内面に踏み込むなと押し返している、自分のエリアくらい守らせろと抵抗している。何も進まずむなしい。 生理が来ると、やっと、ここまで…

ドナ・ウィリアムズ 川手鷹彦/訳『自閉症という体験』

今日は時間があり、これはこれでとても不安。でも前ほどのわなわなする感じではない。仕事日誌をつけたり、現実をとらえられるためにできることはして、これくらい。 ・「感覚」と「悟性」にいったん言葉として分けて、名付けた上で話が進む。「悟性」は「知…

2024.04.05

返事を待ちながら。気がかりの件を考えようとしながら。返事がきて、なんとか返したものの、ぐずぐず気になりながら。 『サントメール ある被告』アリス・ディオップ/監督。データコピーしながら、しゃがんだまま全部見通してしまった。観終えたのが2時。 …

2024.04.06

こうして私は自分が望んでいたことに気がつく。引っ掻き回してほしいのだ。私たちの持ち物を動かし、見て、押しのけて、解体してほしいのだ。箱の中身を全部引っ張りだし、踏みつけ、場所を変え、床に投げ捨て、そうして泣いてほしいのだ。そして母に入って…

2024.03.31

からだがけっこう、みるみるうちにしんどくなっていて、14、5年前頃の時間をこれからやり直すようだ、と受け止めている。前よりもう少しうまく応じることができればいい、できないとおかしい。 『捨てがたき人々』。後半、ばばばばっと人の、わたくしの醜態…

2024.03.29

ここ2日くらい、自分が十四、五才の頃にすごく好きだった人の曲を聴きながら過ごした。ら、自分のおさまる範囲が、取捨選択が、スタンスが、ちょっと思い出せたように思う。その頃から何も変わらない。納得いかないものはたぶんこれからも納得いかないだろう…

2024.03.25

『ウィークエンド』(アンドリュー・ヘイ/監督)よかったな、と思い出している。浮き草のように過ごしていく術を身につけていき、そのように生きる。ただそれはそうするしかなかったからだ、という前提で。そう択びとり、受け入れ、自分で自分の尊厳を守り…

2024.03.25

ものすごく忙しく、いくつかのことを考え、一気に歳をとった気分。昨日中に送らなければいけなかったものが、もう送れない時間になってしまって、でも、朝見直して送ることにしてよかった。 『英国王のスピーチ』トム・フーパー/監督。後半、とくに、奥深く…

2024.03.21

日にちの感覚がずれているのは、洗濯物をまわすタイミングが何周かずれていっているから、というのも大きい。ゴミの日の感覚ともずれる。自分の体の経験で日にちの感覚を理解して呼吸しているのだとわかる。ヨガは呼吸でカウントする。自分の呼吸の物差し、…

2024.03.21

口に出して話すほうの言葉は、すくなくとも、100%、相手が分かるためのものなんだと思った。 偶然教えてもらったのを受けて、確認して、実感した。その上で、想像していって自分のなかで自分の方法でとりあえずの理解をした。この繰り返しだろうと思う。 多…

2024.03.19

日にちと曜日の感覚がずれることがあって、ここ何週間はずっとそう。今日は火曜日だけど体感的に日曜日という感じ。やることリストを何度も書き直している。洗濯物を干すタイミングと寝るタイミングがずれて1周か2周まわっていく感じ。 この実はどこにどんな…

2024.03.12

新しいカテゴリーをつくった。ここでいう「障害」はあなたと私の間に起こる、存在していて動く、障害すべてのこと。映画を観る時間がつくれるようになってきて、「障害」がテーマになっている作品ばかりじゃないかと知った。それならきっと、小説にもずっと…

2024.03.09

アルモドバル監督の映画を、続けて観た。ひとつはいつものように途中で話のつながりが分からなくなってしまって、また観ようと思う。 『オール・アバウト・マイ・マザー』、また観たい、いつか。いつもこの人のつくるものは、複雑で、多面的で、多層的で、襞…

2024.03.09

・はじめて、通して6分台で走れたので嬉しい。姿勢のことだけ気にして走った。 2月は腰痛いのと寒いのとで走らずじまいだった。休んでも、やめずにこつこつ続けたい。自分の体のことがよく分かるから。 ・自分が抱えているはず、べき、の、あらゆる苛立ちは…

2024.03.08

そんな時、怒りを爆発させた長男はストライキを始めた。家族は、長男の怒りでようやく分った。障がい者の長男が一家にとってどんなに大切な存在であったのかを。長男がいなければ自分たちの人生もない、ということに家族はようやく気づいたのだった。 普玄 …

2024.03.05

普玄 倉持リツコ/訳『痛むだろう、指が』。売ってしまってもう手元にない本。 少しずつそれぞれの役割がずれている、ずらされている、という感じがこちらに残る、それも心に残る理由のひとつだったと今になって思う。役割がもう少しでもずれると大きく傾い…

2024.03.05

深く重く汝の聞こえをり現実の対岸よりの声は柔媚に 汝・な 悲哀から時間が生れるすこししてすこしづつだが花が咲きゆく 生・あ 岡井隆『臓器(オルガン)』 苦手だったけれど突然大好きになって(苦手だったいくつかのところを、突然「ゆるせた」感じだと思…

2024.03.03

『瞳をとじて』ビクトル・エリセ/監督。長い映画だった。思ったことを書いておかないとどんどん忘れてしまう。でも、顔をあれだけ映されたら、顔のこと、顔を見たこと、受けた印象、言葉にも言葉以前のものにもならないあの時間の感じは憶えている。憶えて…

2024.03.02

『我と汝』、大事に思って、数ページずつ読んでいる。 妙に時間がかかってしまうことは、とっても多い。私が、いい、と思うことは少ない。きのうは必要があって場違いだと感じるところに行き、分かれ道の流れによってこういう生き方もあったんだと、想像して…

2024.02.27

ほとんど毎晩、ブランコを漕ぐのをわたしだけ見ている。今夜はけっこう長いので、一度帰って見に行った。寒いけれどもうコートなしでぎりぎり行けるくらいで、小さな小さな白い花がいくつか咲いていた、と、出るときに見たのを思い出しながら。今夜は、余裕…

2024.02.26

帰りの電車のなか、という時間を持ったことも久しぶりで、なんとなく、わかってきたような気がする。べつに自分はとくに何も変わらないし、なんとなくわかっていたことを確認しただけだけれど。でも、確認する、ということをわたしはずっとしたかったと思う…

2024.02.24

そうではなくて、ひとつひとつ現れていることのほうがわたしには信頼できる。はずだ。その現れ方や、なぜその表現がとられたか、それを今目の前にいる私がどう受け取っているか、どう受け取ってゆくことができそうか、という間のところに、何らかの名前がつ…

2024.02.24

『愛情萬歳』ツァイ・ミンリャン/監督。流し見してよく分からなくてもう1回見て、分からないまま。糸を引くような感じで、数日後に顔の切ない感じや、何もないひとりきりの箱の感じを思い出す。見たものが内側に入っていて、内側から思い出す。 水、流れる…

2024.02.23

確定申告が提出できそうで、自分で思っていたよりかなり、ものすごくがんばっているじゃないかと思った。あとで、すこしはちゃんと評価分析したい。そういう、予習復習の時間をどうにかもちたい。 2月のこの時期はとくに面談などの多い期間でもあって、うま…