日記

とみいえひろこ/日記

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

2024.04.29

www.youtube.com そこから流れてゆけるような世界を見つけたい

完璧な海

完璧な海 大好きな子は……という名まえ持つ持たされたままそよと受け入れ 犬のような大きな大きなセーターを被るときすこし迷う光に 送料のほうが高くついたのだったっけ桃のクリーム足の甲にも 行けないで/行かないでいる子どもらの姉さんたちの俯いて笑む …

川田絢音『雁の世』『こうのとりの巣は巡る』

拒絶への感受性、と、言葉にしたら妙な言葉だけれど、川田絢音の文章を読んでわたしが惹かれるのはそういうあたりなんだと思う。拒絶、への、感受、感受の仕方に惹かれる。だから、惹かれ方も独特でないといけないはず。 危ういものが ひとかけらずつあらわ…

小林美代子『髪の花』

「君、おかしいじゃあないか、昨日まであんなに病気じゃあないと頑張ったのに、今日、先生の言う通り全部病気でしたという、そんなに急に判るはずがない、誰かに入知恵されたのでしょう、どうして昨日まで事実だと思ったことが、今日は病気だと判ったのです…

別の話

別の話 紫のダウンジャケットぶかぶかのゼリーみたいな子が泣いている オレンジの布いちまいを透けてゆき物語る者はいつも内側 あの空の重たい色がたまらなく色っぽいこと指さして言う ぼんやりと思い出す昼 幸福で愛するだけの手であったこと 東寺駅にずっ…

2024.04.20

しかし彼女は既に、ただ自らの勇気に心を向けるようになっていた。 グレイス・ペイリー 村上春樹/訳「庭の中で」 自分の見積もり・見通しが現実にそぐわず甘過ぎて、ぜんぜん、ものすごくスローにスローに、微々たる進み方で、1週間ほど。 ただ、そのひとの…

『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン/監督・脚本

『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン/監督・脚本。映画館に入り座席に座るのがいつもぎりぎりになる。よかったなあと思って、やるべきことが手につかない。小品、佳品、という感じで、こういうのこそ映画館で観てよかったな。細かく気を遣っているとこ…

ピエール・パシェ 根本美作子/訳『母の前で』

けれどもわたしはこのリストに何か欠けているような気がする。そしてそれが何なのかをはっきりさせ、それを定義する責任が自分にあるような気がする。そうでなければ、わたしは最後まで自分の役目を果たしたことにならないだろう。 ピエール・パシェ 根本美…

2024.04.16

ずーっと曲を流していた。分からず、当面は何の意味もない、何にもならない、しかたのないこと、どう付き合ったらよいのか分からないこと、絵、の張りつく感じが自分のタイミングによって強まる。無意味を別のチャンネルをもつもので流したりくるんだりして…

ピエール・パシェ 根本美作子/訳『母の前で』

ピエール・パシェ 根本美作子/訳『母の前で』。とくに後半になって私にはすごくよく、分かる気すらしてしまい、引き込まれて読んだ。ひとつの位置から、あるひとつの流動的な関係が、適切に、近づいたり遠ざかったり、うちに入れたり取り出したりしながらよ…

『マイ・レフトフット』ジム・シェリダン/監督

『マイ・レフトフット』ジム・シェリダン/監督。観た感じを引きずりながら、「プライド」、自尊心、自尊感情、という言葉をモチーフとして、思う機会があった。観念があって、名前のあるものになって、なにか、目安として測られる、量られるものとして理解…

2024.04.13

・わたしは先生を欲しがっているみたい、さまざまな折に。肉体と精神を整えて求道的な生活に身を捧げることをできるところまでできるなら、目の前のごちゃごちゃしたことはすべて平らかになるべきようになるはずだ、という大ざっぱな目論見を持っているみた…

2024.04.13

中年のジュリエット・ビノシュの映画、きのうのつづきで朝観ていた。今日は一日なんでもないけれどもなんだかその存在感、あの、溜め、の感じが心にあった。夕方、今までで最速に走れたので嬉しかった。理由はわたしたちだけが知っている。 ここ何日か頭にあ…

2024.04.11

髪の毛の絵を描いたので、人の髪が目に入る。道路沿いの夜の光のなかの金髪、短髪、前髪短い子、目の大きな。長髪、ふわっとした黒髪。玉出の入口はサイバーパンクな風景っぽい。狭く暗い、汚い空間で、鏡張り。その前に行った買い物で、ふわっとした疲労感…

両腕

除光液の苦い香が解き放たれて明日から寒いと聞いたとおりだ 崩されるほうでも崩すほうでもいいオレンジの窓に閉じ込められて どこまでも引くことの出来る引き算の蜜柑ジャム煮詰めるほど光る 両腕を後ろにまわし待ち受ける清濁を併せのむつもり 燃える部屋…

今日

ふと今日がお別れの日でいいような光と煙うつくしい午後 今日のこと今日終えられることなくてぼんやりしゃがむ小瓶みたいに 打ち明けて良かったことは何もない逆立ちに思うことひとつきり 貧しくもつややかなテーブルクロス泣きながら食べるひとを照らせる …

2024.04.11

音声日記をはじめたら、自分がどれだけ頭のなかで延々と話しつづけているのかが少しわかった。話している、怒っている、内面に踏み込むなと押し返している、自分のエリアくらい守らせろと抵抗している。何も進まずむなしい。 生理が来ると、やっと、ここまで…

ドナ・ウィリアムズ 川手鷹彦/訳『自閉症という体験』

今日は時間があり、これはこれでとても不安。でも前ほどのわなわなする感じではない。仕事日誌をつけたり、現実をとらえられるためにできることはして、これくらい。 ・「感覚」と「悟性」にいったん言葉として分けて、名付けた上で話が進む。「悟性」は「知…

2024.04.09

風が吹き暗闇に包まれた時あなたの姿が恋しい時風が吹き 寂しい時は美しいあなたを思い出す元気にしているだろか幸せに暮らしているだろうか見えますか? 私の心がなぜ こんな気持ちで過ごすことになったのか見えますか? 私の心がなぜ こんな気持ちで過ごす…

2024.04.05

返事を待ちながら。気がかりの件を考えようとしながら。返事がきて、なんとか返したものの、ぐずぐず気になりながら。 『サントメール ある被告』アリス・ディオップ/監督。データコピーしながら、しゃがんだまま全部見通してしまった。観終えたのが2時。 …

2024.04.06

こうして私は自分が望んでいたことに気がつく。引っ掻き回してほしいのだ。私たちの持ち物を動かし、見て、押しのけて、解体してほしいのだ。箱の中身を全部引っ張りだし、踏みつけ、場所を変え、床に投げ捨て、そうして泣いてほしいのだ。そして母に入って…