完璧な海
大好きな子は……という名まえ持つ持たされたままそよと受け入れ
犬のような大きな大きなセーターを被るときすこし迷う光に
送料のほうが高くついたのだったっけ桃のクリーム足の甲にも
行けないで/行かないでいる子どもらの姉さんたちの俯いて笑む
舟ひとり漕いでいる気分のあなたB級ホラー映画を観てる
知らないでしょうここ最近はやや深いヨガを私がしていることも
彼の人のドローイングは霧のよう扉も窓も正確に遠く
ポスカ ポスカ 水色のポスカ買いにゆくわたしの完璧な海のために
「かばん」6月号、特別号なのに提出するのを忘れてしまった。もともと締め切りを自分につくることをいちばんの目的に入ったので、8首まとめ。