日記

とみいえひろこ/日記

2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2022.11.28

高松里『セルフヘルプ・グループとサポート・グループ実施ガイド 始め方・続け方・終わり方』(金剛出版) あとがきに、著者がこの本を記した背景、著者自身のニーズが書かれていたりして読者の心をつかみつつ、深い情報を削ってできるだけ易しく読めるよう…

2022.11.26

植民地というものが、仮に資本主義による搾取の歴史であるとしても、植民地が醸成した文化は、その統治が終わっても容易にその土地からは消え去らない。不平等な環境で利益を一方的に収奪される歴史があったとしても、そこに生み出された愉楽は、それを享受…

2022.11.23

疲れを味わう時間が来て、いっとき、ただただ疲れる、という時間をもつことができるようになってきた。 吸って、吐く。そのことのように、疲れるという現象のなかに特に意味はない。ほんとうにからっぽで、何も起こらなかったし何も見なかった、何にも出会わ…

立花開『ひかりを渡る舟』

窓ぎわの猫一度鳴く 笑わねばならぬ日が重なって剥がれぬ 呼ぶたびに言葉が傷を負うことを知りつつ幾度も呼びたき名あり 疲れやすき私は途中で座りしが先へとなおも引く力あり ふたりだけの詩を詠むあそび沈黙に金木犀のふたつ、みつ、落つ 私じゃないわたし…

2022.11.21

なぜなら文学は、一人ひとりの生に言葉を与えることで、個別の経験と感情を社会に開き人々につなげ、時と場所をこえて共有可能にするからだ。たとえば、ウガンダの農村でHIVとともに生きる母親の物語を読むとき、私たちはたしかに、彼女の気持ちを「知ってい…

ペルソナのサンドラ

ペルソナのサンドラがふと愛おしいオレンジの髪のシングルマザー 先生は絵に描いて説明をせりきれいなすみれ色の臓器や血 ブレインストーミングが生まれたのは戦後 明るい部屋に引きずり出したい 齟齬がある 画面のなかを鮮やかな赤いスカートが揺れている …

2022.11.17

『親密性』レオ・ベルサーニ アダム・フィリップス 檜垣立哉 宮澤由歌/訳(洛北出版) どういうことを書いてある本なのか、なんだかまだよくわからないで読んでいる。 〈それ〉があって、わたしはあまり〈それ〉を受け入れたくない。でも関わらざるを得ない…

2022.11.12

ひとつの波のために 終わって、ごまかせないのだと噛み締めながら、コピーをとりに、ポストに投函しに。 10日くらいは駄目にした。たまたま、ごまかせてごまかすことにしたから、今回はこちらに力を使うことにしたから、ごまかしてひとつの波を見送るまで辿…

2022.11.12

アレッサンドロ・バリッコ 鈴木昭裕/訳『絹』(白水Uブックス) 物語を必要とするとき、誰もが、いつも、「それ」(「遠い昔からのやりかた」。「ものごとを呼ぶ名前がないとき、ひとは物語の力を使う」)のことを思う。物語が力を得てしまったとき、別の物…

2022.11.12

中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(ちくま学芸文庫)。 「本人に恥をかかせぬことです」 鶴嘴も探針も入らぬ 忘却と闇に埋れて 眠る宝石、いと多し。 口惜しや、秘密のごとく 甘き香を深き孤独に 放つ花あまりに多し。 誰も恥をかかないこと。自…