日記

とみいえひろこ/日記

2022.11.12

中井久夫『「思春期を考える」ことについて』(ちくま学芸文庫)。

 

「本人に恥をかかせぬことです」

 

鶴嘴も探針も入らぬ

忘却と闇に埋れて

眠る宝石、いと多し。

 

口惜しや、秘密のごとく

甘き香を深き孤独に

放つ花あまりに多し。

 

誰も恥をかかないこと。自分もふくめて。それをわたしは、いちばんまもろうとしているように思った。

なんだ、時間をここにつぎこめば、細かく分けていちいち言語化していれば、乗り越えられたじゃないか、時間の配分の問題じゃないか。と、すとんと冷えた気持ち。まだまだ残るざわざわを内側で生き延びさせながら。