日記

とみいえひろこ/日記

2023.11.10

越川道夫「月子」、ウタ・フリス 冨田真紀 清水康夫 鈴木玲子/訳『新訂 自閉症の謎を解き明かす』、カリフォルニアピープルファースト/編 秋山愛子 斎藤明子『私たち、遅れているの? 知的障害者はつくられる』、笠原美智子『ヌードのポリティクス』など。

 

話し手の意図を追っていくのが言葉の意味を学習するときの通常の出発点となるというのがもし本当だとすると、自閉症の子たちにとっては、それは深刻な打撃となります。

 

相手方と焦点を共有するこうした場面を逃している可能性が高いのです。

 

オウム返しが行うのは精度の高いメッセージの伝達です。

 

自閉症の人たちの語る字義どおりの言葉は、いつも心理化に余念がなく、どんなメッセージにも自分たちが求める意味を読みとってしまう人々にとっては、何でも描き込める真っ白なカンバスの役割を果たす

 

(第七章 人と話す難しさ)ウタ・フリス 冨田真紀 清水康夫 鈴木玲子/訳『新訂 自閉症の謎を解き明かす』(東京書籍)

 

内にあるものを外から書くことは誰にも出来ず、言葉だけ読んで離れてまたふと今日みたいな時間に戻ってきて読んで、内から、違う違うという自分の声に追い詰められた末に細いひとつのところ、いま手につかめるところをつかめたら、それでいい。

内容を精度高く伝えるのなら、まったくたしかに、オウム返しがいちばんいい。そうじゃないという何かがどこに行っても大きく立ちはだかっているから、歩けないのだ。歩けない、とずっと言っているのだ。

私は私の立場で、自分と相手に言外の嘘をできるだけつかないでいる、ということだけをまもるだけでほんとはいいのでは。「そうはいっても」というところをやっぱり大事にするとしても、これをまもるだけの時期が必要なはずだと、私はやっぱりひとりで思う。

 

そして二人はひどく疲労し衝突し、

立岩真也「高野岳志/以前」(『現代思想』2017年5月号「障害者 思想と実践」)

 

何を、誰のつもりで、どこから見てそう思うのか、ということが気になる一日、また、ここ数日、それが内側で言葉になってきたということかもしれないと、書いていて思った。