2022-12-20から1日間の記事一覧
小林美代子『蝕まれた虹』(烏有書林) 雲が落ちていて床に それを拾うわたし、拾わないわたし。拾わないわたしは生き延び、拾おうとしたわたしは雲を見続けて、駄目になってしまった。駄目に。誰にとっての駄目に? 最近戦争の本ばかり読んでいる、と思う。…
しみしみとピーマンを焼く夕方に痛むところを探りあてたく みぞれのにおいウォッカのにおい混ざり合う記憶のどこかしんと静かに 花、秋のはじまりに似合う花ゆれる離れた場所ですばやく簡素に 舌打ちに満たない音を響かせて犬が水飲む秋のめぐりに 爪と爪ふ…