2021-02-26 動物のように 短歌 動物のように身を寄せ合ってじっとしてずっと他人でいられたらいい 動物のように身を寄せ合ってじっとしてずっと黙っていられたらいい 野のことは野を突き刺してひと日立つ冷えた脚もつ門のみの知る わたしは立って、彼はすわって話すんだ 潮のにおいも届かぬ場所で それでいてどうせそっくり終わるのに噛んでいるガムと噛まれるガムと いつのまにこんな柔らかな毛になってふっと今にも消えられそうな 軽々と渡れば羽根になって濡れてぜんぶぜんぶを見るものになる 光らない川に来て影をもらって打ち上げ花火のからだで帰る