日記

とみいえひろこ/日記

2024.04.13

中年のジュリエット・ビノシュの映画、きのうのつづきで朝観ていた。今日は一日なんでもないけれどもなんだかその存在感、あの、溜め、の感じが心にあった。夕方、今までで最速に走れたので嬉しかった。理由はわたしたちだけが知っている。

ここ何日か頭にあるのは「底つき」のこと、「代わり」ということ、など。ただし、そういう、言葉になるものとまったく別のもの。言葉になった途端に奪われて消えてしまうもの。

 

りえ子は何時受話器を置いたか判らなかった。気がついた時は、電話ボックスの道を真直歩き続けていた。親子揃って狂ってしまい、誰が私達親子の正気の代りをしてくれるだろう。母が私の正気の代りをしてくれるから、安心して狂っていられたのだ。

 

小林美代子『髪の花』