『ベルイマン島にて』ミア・ハンセン=ラブ/監督。向かい合えば破滅、並んで見れば退屈。退屈は、醸造の一種なのかもと思う。ごまかし、つまらなさ、見えなさ、明けない時間などによって、かたちを変えながら、意思をかわしながら、ゆるくつくりつづけられ、壊され、そうやって繰り返されるもの。複雑な、向き合う鏡もない、雨の降る島にて、選ばなかったものの影としてずっとつづく。つづくことをいちいち選ぶ。
連れていって、帰ってきて、犬もひとも眠ってしまって、遅れつづけながらも静かでひとりだった。月に1回、何時間か、こういう時間があるんだろうか。