日記

とみいえひろこ/日記

映画

『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン/監督・脚本

『パスト ライブス/再会』セリーヌ・ソン/監督・脚本。映画館に入り座席に座るのがいつもぎりぎりになる。よかったなあと思って、やるべきことが手につかない。小品、佳品、という感じで、こういうのこそ映画館で観てよかったな。細かく気を遣っているとこ…

『マイ・レフトフット』ジム・シェリダン/監督

『マイ・レフトフット』ジム・シェリダン/監督。観た感じを引きずりながら、「プライド」、自尊心、自尊感情、という言葉をモチーフとして、思う機会があった。観念があって、名前のあるものになって、なにか、目安として測られる、量られるものとして理解…

2024.04.09

風が吹き暗闇に包まれた時あなたの姿が恋しい時風が吹き 寂しい時は美しいあなたを思い出す元気にしているだろか幸せに暮らしているだろうか見えますか? 私の心がなぜ こんな気持ちで過ごすことになったのか見えますか? 私の心がなぜ こんな気持ちで過ごす…

2024.04.05

返事を待ちながら。気がかりの件を考えようとしながら。返事がきて、なんとか返したものの、ぐずぐず気になりながら。 『サントメール ある被告』アリス・ディオップ/監督。データコピーしながら、しゃがんだまま全部見通してしまった。観終えたのが2時。 …

2024.03.25

ものすごく忙しく、いくつかのことを考え、一気に歳をとった気分。昨日中に送らなければいけなかったものが、もう送れない時間になってしまって、でも、朝見直して送ることにしてよかった。 『英国王のスピーチ』トム・フーパー/監督。後半、とくに、奥深く…

『カッコーの巣の上で』ミロス・フォアマン/監督

『カッコーの巣の上で』ミロス・フォアマン/監督。 ・ダンスの時間がとても切なくて、胸に残っている。それぞれが、甘えたい胸に甘えるだけの時間。適切に受け止められる時間。あの時間だけが特別で、軽くて、自由さがあるようで、夢のなかなのにひしひしと…

2024.03.09

アルモドバル監督の映画を、続けて観た。ひとつはいつものように途中で話のつながりが分からなくなってしまって、また観ようと思う。 『オール・アバウト・マイ・マザー』、また観たい、いつか。いつもこの人のつくるものは、複雑で、多面的で、多層的で、襞…

2024.03.03

『瞳をとじて』ビクトル・エリセ/監督。長い映画だった。思ったことを書いておかないとどんどん忘れてしまう。でも、顔をあれだけ映されたら、顔のこと、顔を見たこと、受けた印象、言葉にも言葉以前のものにもならないあの時間の感じは憶えている。憶えて…

『タロウのバカ』大森立嗣/監督

最初からきつい、ずっとしんどい映画だった。光の感じと、衣裳がいいなと思って、服の感じを見ていたら、「穴」が心に残った。穴のあいたセーター、首に巻いた黒いリボン。傷口がどんどん開いて、最後はほとんど穴のタンクトップ。そう思うと、川で雨が降っ…

2024.02.24

『愛情萬歳』ツァイ・ミンリャン/監督。流し見してよく分からなくてもう1回見て、分からないまま。糸を引くような感じで、数日後に顔の切ない感じや、何もないひとりきりの箱の感じを思い出す。見たものが内側に入っていて、内側から思い出す。 水、流れる…

『山の焚火』フレディ・M・ムーラー/監督

『山の焚火』フレディ・M・ムーラー/監督 大きなものを奪われた後にいるような、ここにある何も見ていないような、「祈る」ようにも見える、そういう目つきの顔。その内側で何がどう動いているのか、ここからは何も見えない、わからない。どんな意味もその…

2024.01.27

毎日、限界まで仕事していると思う。実際はそうでもない。記録のつけ方をいろいろ試すのは楽しく、自分なりに、ほんとうに、少しずつ、地に足が着いてきたり心もとなくなくなってきたと分かる、でも、もどかしい。本日中にお送りするものを深夜にお送りして…

2024.01.25

『さらば愛しき大地』柳町光男/監督。ほんとうに切ないいい映画だった。前半流し見してしまったからつながりもわからなくて、もう一回流し見。砂浜で静かに背をまるめて蟹を食べるシーンとか、心に残ってしまう。どんどんものがなくなっていく描き方も追い…

2024.01.19

『茶飲友達』外山文治/監督・脚本。 ・最後のほう、ばらばらばらっと展開したところ。わあ、と静かに思いながらただただ見ていた。 ・ルールと、良い悪いといった価値は関係ないと、ほんとうに思う。ルールはただただルールで、いちばんはじめのところでル…

2024.01.18

長く、このなかで何をどう思ってもいい、ということを言い聞かせ確かめるためだったのが、このなかでわたしは何でもどうとでも思うことができるはずだということをみつけていくためになっている。ように思う。実際に、何でもどうとでも思うことができるんだ…

2023.12.30

力尽きてたくさん寝て、それでも、こんな感じになった。 『真白の恋』坂本欣弘/監督。冷え冷えの足を揉みながら。最後にもういちど、もういちど日常が描かれていたところや、どの立場の心情も行動も無理なく描かれていたところがしみじみいいなと思った。ひ…

2023.12.20

アキ・カウリスマキの映画、1月で配信終了になるものを続けて観ている。音楽が腹の底と響き合い、悲しくし、こめかみを痛め。働くほど、奉仕するほど、生きるほど、その先にある虚しさに足を踏み入れるだけ。踏み入れる、そう方向づけられている自らに気づい…

2023.12.16

『市子』戸田彬弘/監督。市子は欲を持ってしまった。欲を持ってしまって、生き延びる。 現実とわたしとを見て、できるだけあらゆる手を使って自由に見て、どのようにやっていくか、付き合っていくか、向き合っていくか。それに尽きるのか。とか、どれだけ追…

2023.12.01

『水いらずの星』越川道夫/脚本・監督。映画の日、観に行った。すっごくよかった。 それでいい、わたしも。 曲げたスプーンの数繰り返したのかもしれないし、化かし合いだったのかもしれない。でも、思ったことはすべて確かにあったことで、わたしは癖でひ…

「アララト 誰でもない恋人たちの風景 vol.3」

越川道夫/監督・脚本「アララト 誰でもない恋人たちの風景 vol.3」 感想つづき。 たとえば、寄り添う、という言葉は私にはとても苦しい。拒否したい。こんなふうに何か、言葉のひとつひとつを吟味していくと、わたしが間違って受け取ってしまっているものが…

2023.10.23

越川道夫/監督・脚本「アララト 誰でもない恋人たちの風景 vol.3」 ほんとうによかった、こういう映画が観られるんだったらもういい。何があっても、何もなくても。掻きむしられる、気持ちになって、途中で無理になっていったん休憩したりした。あらゆる思…

2023.10.14

「由宇子の天秤」春本雄二郎/監督・脚本・編集。図に描いたらいったいこれはどんな感じになるだろう、円になってすべてここに戻ってきそう、とも思う。 ・出会ったら私たちは別れられない。誰も私の一部になる。 ・最後のシーン。自分にとっての真実(自分…

2023.08.25

「ソウルに帰る」ダヴィ・シュー/監督。 はじめから言葉は伝わらないものとしてあった。 色について。濃い紫、うすい紫、汚れた紫。いろんなものが混じってそうなった紫。フレディは紫ばかり身につけていた。何年か後、黒に近い赤が顔を出す。唇の色、声の…