日記

とみいえひろこ/日記

2023-11-03から1日間の記事一覧

永井陽子『てまり唄』

こころねを語らむとする辺にありてあやしき賤の夕顔の花 すりへらしすりへらしゆく神経の線香花火ほどのあかるさ 丸薬がころがりゆける床下に水色の尾のごときもの見ゆ 冬瓜が次第に透明になりゆくを見てをれば次第に死にたくなりぬ 明るいところを見るんだ…

2023.11.03

そのあと、いつものように闇のなかへ入る。あたたかい、自分のこれまでのにおいのなかに。白い、やわらかい足が闇から出ている。歩かないから足の裏がやわらかい。移行のための儀式、この足の持ち主にとってのそれは、このくらいひんぱんに必要なんだ、とあ…