日記

とみいえひろこ/日記

2021.10.07

誰もわからないと思う、目を閉じているような心地になる。ほんとうはそのようにとらなくてもよい責任を、そのようなかたちでとらなくてもいいような、もとの少ないところに戻れる時間であるような。

この目的のために、この並び方で、この距離で、このくらいの時間。並んで歩くと、その子はよく揺れる。あの揺れ方だと思う、よく知っている。条件がそろうことでその子の属する系が全開に、全開ほどではなくても、ふだんより楽にひろがるのかもしれないとわたしは思いつく。そのことにふかく落ち着く。わたしもまた楽になり、閉じることができ、やっと流れ出す。そうやって日に一度くらい、行き来する時間をもつようになった。