日記

とみいえひろこ/日記

2021.10.28

間に入ってもらい、都合をつけてもらい、この3人でその3人に会いに行く。思ったよりもたっぷり時間をとってくれようとしている。ゆっくり窓をひらき、安全な岸に立たせてくれ、見せてくれた。わたしがむかしの話を、何度もした話をもういちどする。話すたびに細かい内容や理由、順番や捉え方がすこしずつ変わる。口に出す前に最後に変えるのがわたし。

一巡りして、船を降り、冬の日。またもとの3人になった。ここでお別れだ。最後にあなたが、わたしたち6人で見た風景のことをまとめて、巨大な扉の位置をひとつ示してくれた。わたしにではなく、もうひとりのほうが聞いて、この巨大な扉をどうするか決める。何にせよ、扉を開けることは確かで、ひとつのリミットも近い。

わたしは、自分が、扉の入り口のほうに正解があり、示してくれた人が正解らしきものを知っているものだと思いながら話を聞くタイプなんだなと思いながら聞いていた。わたしにとっての正解というのではなく、扉を開けた世界にとっての正解が。話を聞いているもうひとりは、そういうタイプではないんだなと思う。

今日はここでお別れ。これからもまた別の最後が何度か来る。

わたしはたぶん、このことについて、とりかえしの効かない失敗につながる道は知っている。このことを手に持って、どのようにもうひとりがこれから開く選択に立ち会うかということを調べなければいけない。