「感じるブックジャケット 2011→2021」展(竹尾 淀屋橋見本帖)。
「感じるブックジャケット 2011→2021」展|紙の展覧会|竹尾 TAKEO
雑誌「ブレーン」で10年つづいている企画の立体版。展示されたものを手にとって見ることができた。実物と、簡単なコンセプトと。
デザインとは。とは。目の前にやってきた課題・問題と、内面との出会い方を模索して表すことなんだなとあらためて思った。出会うことであり、時間を止めるという営みであり。制作者はそのとき、出会うための内面を提供する。耕したり掘り起こしたり、出会うことを受け入れるときのさまざまな組み合わせによって独特な作業が伴うし、伴うための作業が生まれる。その手つきは表されたモノの痕跡になり、出会う方法をつくる。
自分には手がある、頬がある、自分のからだはこうなっている、こういう経験の受け止め方がある…課題・問題と出会ったときに自分が持っているものを見直し、機能を見出し、できないことに寄りかかり生かされ持続しながら(「できない」がないと創作や解決が生まれない)、見出した機能を使ってできるだけ正解に近いかたちで表すということ。表してそれが届いた先でそれぞれが役立つだろうかという期待や不安や、つまり未来を託すこと。という基本的なことが実感できてとてもたのしかったし豊かな時間だった。