でも、私が入るのは当事者会ではなく、家族会だなと思う。どこにいても自分だけちょうど余分で場違いな感じがある。これはずっとつづく。あなたでもなく、あなたでもなく、あなたでもなく、あなたでもなく、内部でもなく、残ってはみだす分が私だからだ。どこにいてもよく、ひとつの名のなかにすっぽり自分ごと飲み込まれて名づけられるような場所がすぐそばにある。居心地の良さにびっくりする。でも私はそこではなく、そこには入ってゆけない。居心地が良い、と感じたのは私がもともと外にいる者だからだと思い直す。どちらを選んでもいいけれど、選ぶことができるということはやっぱり家族会だなと思う。どこにいてもどこにもいられない、いたたまれなさそのものになり、それでも選ぶということ、出ていくということ、その線上を渡り歩くやり方がある、と思ってみたいんだろうと思う。どこも、ずっといるところではない。
