日記

とみいえひろこ/日記

2022.11.23

疲れを味わう時間が来て、いっとき、ただただ疲れる、という時間をもつことができるようになってきた。

吸って、吐く。そのことのように、疲れるという現象のなかに特に意味はない。ほんとうにからっぽで、何も起こらなかったし何も見なかった、何にも出会わなかった、というところに、でも、帰ってくるような時間がある。ゆっくり流れる。

このからっぽに何かきっとあるんじゃないかと、それを確かめたがっていたと思うのだけど、何もないのかも、何もないんだ、と、こだまのように響かせている。

 

何かに

何かに私は嵐のように出会って、別れて、戻ってくる。出会って別れたものたちが何だったかぜんぶ忘れたし、それらはそのときにその名だったというだけのことだった。

戻ってきたときには何か、疲れに行く前とはすこしだけニュアンスが違うものが混じっていて、何かの残りがばらばらに身体にまとわりついている、埋め込まれている。