日記

とみいえひろこ/日記

2023.02.20

あと15分くらいある、と思ってマクドナルドへ入る。注文して、座るために地下へ下りたらあと10分。隅の席にアップルパイとコーヒーと、いろいろな荷物を置く。隣の席の小さい女の子がこちらを見ているのが分かる。今そちらを向いたりそちらを向いて笑う余裕ない。がんがん視線を感じながらアップルパイをこぼさないように前のめりになって食べた。コーヒーはほとんど残した。

夕方、いろいろなことが済んで別のところで隣り合ったのは、たぶん同性の恋人同士のふたり。それぞれ別々の国出身なのだろう、声の低い静かな英語が優しくて心地よかった。たまに、驚いたときに片方のひとの日本語が混じる。なんとなく、隣り合ったそのふたりを見ないように、コーヒーを飲んだ。

十川幸司藤山直樹/編著『精神分析のゆくえ 臨床知と人文知の閾』(金剛出版)

ふたり、読みたい人が書いていたので興味があって借りた本で、なんとなく読んでいたらとてもおもしろかった。それじゃない私が、それの何をも知らないで、でも、だからこそ、独特の目的を設定することがゆるされているかもしれないこと。どう関わっていくのか、どう大人になっていくのか、それじゃない私が、分からないで関わる行為こそが、ここを逃れてゆくためのひとつのアイデアとして意味があることかもしれないこと。など、など。