する人がそれをしないことをしている。しない、しない、しない、しない。しない、一生しないかもしれない。さまざまな成り行きで、それをするしかないことになった人が。する人がしないことをしている。しないぶん内がわでしている、そのテンション。しない言葉で、その言葉自体には慣れないから、少ない言葉でゆっくり話す。
わたしはする人がしないことを見る。しないかもしれない一生見ていたいとも思う。関わりは、しかたなく、ひとつひとつ、編み出される。見てしまったのならそうするしかなく、する人が座っている椅子から根が伸びていることなどを思う、その間しないことを見ていなかった。する人にこれからもわたしは会わない。関わりは自ずと決まってゆく、わたしはわれを忘れる。白い鏡を通り抜ける根を思う。
