日記

とみいえひろこ/日記

2021.08.12

ゴミだらけの庭の話を読んだ。思い出す子がいる。何かにつけて思い出す子、少し思い出しすぎる子。とくべつに仲が良かったわけでもないし、それどころか、わたしとあの子とで心を通わせたこともなかった。何かの感傷か、何かのうったえか、最近は、自分の記憶違いを訂正せよという自分からの忠告だろうかと思えてきた。わかっているくせに、その場しのぎに、自分に都合のいいように決めて終わらせないで。

これがわからないと自分はだめだと思う。このままわからないで、死ぬまでこの後ろめたさ、見ないふり、おそれに留まったまま思い出しつづけてはうやむやにしていくのかもしれない。

じめじめして、もしくは太陽に無防備に当たりすぎて、少しにおう団地の小さな庭、庭みたいな場所。いろいろなものがそのまま捨てられていた。わたしは自分がその子と同じにおいがすると思い、誰にも言わずにひとりで思っていた。その子もそう思っていただろうか、わたしよりわたしの思っていることを知っていただろうか。