日記

とみいえひろこ/日記

2022.03.17

キム・サンウク キム・ユンジュ/イラスト 岡崎暢子/訳『K-POP時代を航海するコンサート演出記』(小学館

 

「もし二十歳前後のメンバーたちが、芸能人ではなく平凡な青年だったなら、今頃どんな青春の花様年華を過ごしているだろうか?」という仮定から出発した。

 

花様年華が過ぎた後なんだ、わたしが見ているのは。そうなんだ。いちばんの輝きを過ぎて、ひとりひとりがどのようにして最後まで自分らしく着陸していくのか、老いて終えていくのかという刻を見ている。どのように見てもいい、どんな時間に見てもいい、都合のいい時間に。どこをどう見てもいい。何も通じないかもしれないものにそうぜんぶ託すことに決めた手の影を見ている。