日記

とみいえひろこ/日記

2022.06.04

今さら、という感じだけが、いつか思わず出た声のまま、じんじん、何かわからないままわたしを包んでゆく。犬は大きな音を怖がるので、壁を叩かないでいた。そのままそのときに持った感情を胸に落としてゆくと、今さら、という感じはそのまま生きて時間を得ていたみたいで、出会う。すずしく、懐かしく、わたしには、憎く愛おしい。ひ弱でかぼそい、あまりに。今さら、何回も聴きたかった曲を、今日聴いていた。少しだけの時間。でもほんとはもっと、ちゃんと聴きたいんだよと思う。今さら、のつづきにどういう言葉や感情がつづくのかわからないけれど、ぜんぜん、嫌な感じではない。そういうのではない。決めないで欲しい、放っておいて欲しい、見捨てて欲しい。わたしの扱うべき感情だ。