日記

とみいえひろこ/日記

2022.07.27

そう、このように

時間をすこしでもとれば、1000倍くらいになって反応がかえってきて、あとは自分で好きなところへ行くのだと思う、そうなると知っている。そうならないことがあるということもすこしだけ知っていると思う。時間をすこしでもとれば

それが出来ていたらよかったし、出来なかったことについて誰も他の誰かが何か知ったり言うことは出来ない。時間と、それにまつわることと、自分の抱えられる範囲、そのバランスをとることだけをずっとずっとずっとずっとやってきたのだと思う。それ以上のことは力尽きて無理ということ、それでそれが何になるのかわからないということもずっと同じ。薄くひ弱な砦の場所、力がかかるところで何かが起こること、食い止めたりねじれさせたり、何か変化が起こる場所から目を離せない観察者がひとり必要なのだと思うのも同じ。

浦沢直樹『MONSTER』、やめられなくて全巻読んだ。たとえば作者の問題意識は、あれらの絵本を描きつづけた人物に込められているのかもと思った。驚くほど浅はかで、凡庸で、簡単に口にしてしまう、かたちにしてしまうことについて。善意や無自覚かもしれないものがどんな愚かなことを招くかということについて。表現されたものはどれもどこかが自分だということ。どの人物も無駄に描かれていないところ、どの人にもそれぞれの思い入れや方法や描かれない部分があって、背負っている罪と人生があると示されているところがすごいと思った。