日記

とみいえひろこ/日記

2022.10.10

七人一緒に髪をのばしているんだろうか

わたしはなんにも変わっていないのに、見ているわたしまでほんとうに遠くまで、戻れないところまで来てしまったみたいだ。一緒に、ぜんぜん異なった、別々の星で。

肩にかかったところからくるんと外を向く髪束、みずからの耳と首を撫でつけ巻きつき蔓を思わせる黒い髪。毛先にはもう声のない、優しさ、安らかさとつめたい慈愛。伸びた内部に暗く重たく溜まった熱と時間。鋭く激しく老いて熟成した心、生きて死んでいく時間。それぞれの内部の時間、切り離された生をつぎつぎに受け取り生きることの労働、働き、仕事、たったひとすじの、固有の、独特の、つかれを曝し。