日記

とみいえひろこ/日記

2024.02.07

おもわずさしのべてぬぐったちなまぐさいゆびさきに

それはひかりよりまぶしくかがやいて

ねたみはついに羞恥となって心底ふかくしずんでいった

(「りんごの死」『征矢泰子詩集』から)

 

結局のところ、まわりに大人はひとりもいない。そもそも自分が大人じゃない。結局のところ、ものすごく雑然とした時間のなか、何だったか、何のためだったか思い出す時間もとらないまま。

ものすごく雑然とした台所に休み、灯りをつけず犬からも見えない場所でしゃがんで、何か食べ、どこかはだんだん回復してきて、何も変わらない場所に戻る。大人とすごく話したいと思う。大人と話したいと思って、曲をかける。詩のなかには大人がいるかもしれないと思いつく。

 

チョン・アウン 生田美保/訳『主婦である私がマルクスの「資本論」を読んだら』、加藤浩平/編著『発達障害のある子ども・若者の余暇活動支援』など。

 

すこし別の時間の流れ方が見えて、もし、わたしもこうなってこうなってここにいるなら、これからどう何を求めるだろう…など、考える準備の時間。