日記

とみいえひろこ/日記

『ブルーに生まれついて』ロバート・バドロー/監督

ジェーンは映画のための架空の人物だったという。もしそばにいたら、もしずっと一緒にいて見てくれていたら、と、本人に思う余裕があれば心から思い願っただろう、理想であり支えであり、本人が生きる上で架空だからこそ全体重をかけられる存在であり意味だった。生きる意味だった。ジェーンという人がいることで、外から観る者にとって本人の人生に辻褄が合うし、生きる意味が集約していく、分かる、理解できる。

本人が招いたことによって、本人がジェーンに最後は見放される。生きる意味をなくして、体だけ残った。ひとり、辻褄も合わない意味も成り立たない、信用ならない弱い男の存在と、体が何かと出会えないで生む響きだけ残った。

 

 

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