日記

とみいえひろこ/日記

2022.08.15

いちばんつらいのは、いつも

最後の悲しみ、まるめていちばん醜くしたものをいちばん弱い犬に受け取らせてしまうことだった。いちばん弱いところに本質が現れると知っている。近いところまでいっているのに、そこから抜け出せず繰り返すこと。壁を叩き、モノを壊す音に犬はおびえる。犬が来る前は人間の子どもだった。

心の動きを決められることだった。自分がどう思っているかを自覚するのに時間がかかるから、人はそう思うものだということを聞き、それに追いつこうとすることが目的になり、息が浅くなり、苦しくなる。苦しさはそっちの、具体的な苦しさ。決められた心はいつも間違っているはずだったし、決められていたかったという心は持っていた。どうかもう、穏便に、すぱっと、何も通じないところから。