日記

とみいえひろこ/日記

2022.08.22

文字組みアキ量設定をさわりながら思い直したことは、ひとつひとつの制作物は、その目的も価値も基準も、ほんとうにひとつひとつ違うということ。正解がひとつひとつ違うし、問いがひとつひとつ違うということだった。

話をきくときに、制作物になる前、何も見えない状態のものが放つ、また隠している問いが何で、問いの持ち主が誰で、どうしたいのかということをできるだけ正しくききとろうとすることがいちばん大切だということ。ひとつひとつのもつ時間感覚もぜんぜん違う。自分が慣れている時間感覚に寄せていこうとするのをこらえて、対象のもつ時間感覚やテンション、対象が棲む世界の時間感覚やテンションにできるだけ合わせようとする、はじめから。

思い直すという作業を何回もどうやったら経験できるのかを気にしたい、と思った。

静かになれる部屋で

数日、線を引きながら読み直したのは、傷と顔と苦しみの本だった。受けとる、受け入れる、被るということが人の経験するすべてと思う。