ひとつのターンでは終わらないこと、やっと伝えた時点が向こうにとっては一度目のターンのはじまりで、やっと伝えたことのごくごくひとしずくが捻じ曲がってでも伝わればそれがはじまる、ということ。を、認めなければいけない。どうにか間に合わせるなどということも、かんたんに犠牲になることもできないということ。正当な時間をとるべきところでとるために、しかも何度もやるために、ここで黙って過ごすために、こんなに読むものを買い集めてきたのでは、何もできずに働き残してきたのでは、とさえ思える。一度は数のうちに入らない、というのはほんとうだし、書かれてあって読んだし分かっていたのに。
チェ・ジウン オ・ヨンア／訳『ママにはならないことにしました』
書かれる途端に括られ、束ねられ、あちら側、こちら側、極端に分かりやすくなり、理解されて使い勝手のよいものが選ばれ、ぜんぜん違ったもののために消費される。ということばかりで、はみ出しこぼれ落ち書かれないまま耐えていることのほうを知りたいのに、なかなか、うまくいかない。何度か読みかけて、そのままになって、を繰り返しているもの。
など。
ぬり絵、位置を確かめながら、自分のわかり方でわかっていく姿もみていた。何をみていて何をわかっていたはずか、思い出す。
