日記

とみいえひろこ/日記

2023.07.30

「ジョーンについて」(ローラン・ラリヴィエール/監督)。イザベル・ユペールにふと見られる。わたしとあなた〈だけ〉のあいだのことを見る私がここに生まれ、見る私は何かの〈あいだ〉と見つめ合う。

昔何度か読んで、何度か買い直したもの。何を思って私は読んでいたんだろう、たぶん読めているはずないのに。

私は、自分がどれだけ抱えられるかを知るだけでいい。それだけをずっとやってきて、上手に見えてきたら、やっと分たれる、隙間ができる。これが、あいだを超えた向こうの抱えていること・抱えきれないことにも通じる、と、やっと、自分が思いつづけてきたはずのことを信用できるかもしれないようになってきた。ふと休憩のときに今自分が関わっていることを話す。そのあとそれぞれの場所に戻る感じがあった、と感じた。何かを任せたあとの気安さがあって、そのことで今までとは全然質や意味の違う、ほどよく集中できて、今自分が自分にとってはっきり難しいと感じることをやるところに戻れる感じがあった。終わる感じも戻る感じも一方向で、追われていたし追い詰められていたし、何よりここにこうして居るのが正しいのかどうなのか評価しようがなかった。

見た目簡単そうでありながらルールがつかめなくてめちゃくちゃ難しい仕事。時間をもらって試行錯誤できた。ほんとは、このくらいの関わり方でいきたいし、できたらもっと、とずっと思っていて、じりじり時間をもらえるようになってきた。

それで、でも、いつか上手に見える、ということはなく、時間をもらって、上手じゃない今の目で見て、今あるものでやっていくしかない、いつも、何度も。

村瀬嘉代子『子どもの心に出会うとき』、ミラン・クンデラ 千野栄一/訳『存在の耐えられない軽さ』、など。