日記

とみいえひろこ/日記

2023.08.09

人と会う、話し合う、が多かった日。少しずつ、調整しつつ調整をしているのが目に見えるかたちで現れてきて、今日を越えたら少し落ち着く予定だった通りに、最終的になった。大まかには。待ち時間があると分かっている待ち時間はかなり落ち着ける。血圧がすごく低かった。

中井久夫『働く患者』、デボラ・レヴィ『ホット・ミルク』、石原海『重力の光』のパンフレットを読んでいた。富岡多恵子の人形製作者の話も。何か書いてあることと同じことを思っていたと思ったんだけど、今思い出せない。間違いがあるからこそ生き延びる、間違いが希望だ、というようなこと。希望が良いものか悪いものかは別の話。ゆるすというのの意味を掴んだと思ったらその瞬間わからなくなる、など。歌集も読んだ。絵という言葉でしか絶対に表せない、伝えられない感じと、それを言葉に変換してもしてもしきれない感じ。

それと同じく、歌にもその様式でしか絶対に表せない、伝えられないものがあるんだな、と何周か読んでいて少し思った。叙事を重ねていこうとすると大人が現れるんだな、とも。

ハンバーグを、たくさんつくった。ばかにされているんだな、ばかにしているんだな、と思うことがほんとうにずっと多いと思っていること、相手はそんなつもりはなく思いもよらないだろうところにこそ多いと思っていること、自分からそちらに行っていたことも、ということ、これ以上どう工夫を重ねて鍛えていくかということ、なども考え、それらをなんでも良いからやわらかくほぐした次に現れる別の感情たちのことを少し知った。ひとつしか見えないサイクルだと、こちらが、相手を、ばかにする、しか生まれず、そのこともパンフレットに書かれてあった。ここ数日読んでいる本には、根のことが書かれてある。そう気づく前に、大きな樹がゆったりと時間をかけて倒れる映像を見ていた。