日記

とみいえひろこ/日記

2023.10.7

同族嫌悪、とも違うけれど、出どころが似ている気がしてなんとなく遠く避けつつ読んでこなかった歌人の歌集。ZARAの古着のタイダイのワンピース、ひんやりしててろっ、てらっとした手ざわりのものが同じ時期に届き、それとどことなく似た装丁の。YouTube岩井俊二映画際をやっていて、『リリィ・シュシュのすべて』、途中から観た。怖いものばかり読んだり観たりしたので、人を殺す、殺させる夢を見た。

 

秘密の解除に関与する者は誰もが、そこにある、また別の秘密をも取り除くことができる。だが、複数の秘密の間で[どちらが重大か、取り除かない方がよいかなどと]競合させてはならない。ましてや、犠牲者同士を競わせるなど、もっての外である。専制や独裁の歴史は、そうした体制が生き残るために必要となる秘密が、死の輪舞のなかで掌握されていることを示している。そこに一片の真実が現れるようにするためには、いたるところで可能な限り、秘密の沈黙を打ち破っていくしかないだろう。

 

可能な限りいたるところで家族的記憶の再導入を試みたほうがよい。そのためには、家族のなかで、誰もが「自らの物語=歴史」を語るように促すことだ。家族的記憶が、明示的・暗示的にも、次世代にさまざまな形の苦悩を引き起こしかねない慣例を作り出す〈秘密〉のなかで硬直化しないように。

 

セルジュ・ティスロン 阿部又一郎/訳『家族の秘密』

 

藤家寛子『他の誰かになりたかった 多重人格から目覚めた自閉の少女の手記』、内海健自閉症スペクトラムの精神病理』、津島祐子『水府』などなど。調べものの寄り道に。

 

1000やりとりして1か2くらい。1000の前に無限。枠組み、課題設定をいったん変えてもらった。相手にとってはどちらでもいいのだろうけれど、と思う。飲み込めない、分からないことが多く、受け取れないこと、見えないことがもっと多く。優先順位のいちばんの、そのまもりかたも、無限で、見えないことがほんとうに多く。