日記

とみいえひろこ/日記

2023.10.17

時間が奪われている、と感じるから、自分の時間をかき集めようとする。いちいち止まっていたら無理、なことは、たしかにまだまだとても多い。けれど、ずっとざわざわしていた今日みたいに、その理由のいくつかは分かっていたり、しかたないと分かっていたり、しかたないことにできる条件があったり、とくに後半の、もう少し状況に応じてこの時間をとれるような、こういう感じで、時間を受け止められたらいい。受け止める、とかいう前にすでに飲まれているのだけど、その飲まれている時間のなかで、なんとか、今からでも、何も取り返しのつくものはない、というなかで。自分にとってのこのこと、この人、というのが、内にも外にも秘密をまもりながら言語化するということが出来ずにいるために、自分のなかだけでずっと幼い。それがずっともどかしく悔しいと感じる。たぶん、もう少し信用できるのだと思う。いろいろなことはかなり微妙に危うさをはらみながらバランスがとれている。ということが、ふとした一瞬に見えるようだったりする。

黒い本3冊。それぞれぜんぜん別の黒。つるっとした刀のような黒、緑がかったやや安っぽい黒、煮つめて後に長く冷え切っている黒。ただいつも、図書館で借りたものはかなり流し読みで、ほとんど意味がない。読んでいる、という意味での意味はない。

小西真理子 河原梓水/編著『狂気な倫理 「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定』、トニ・モリスン 都甲幸治/訳『暗闇に戯れて 白さと文学的想像力』、榎本空『それで君の声はどこにあるんだ? 黒人神学から学んだこと』。