選択と排除、そして屈折と歪曲は彼の選択と排除であり、彼の屈折と歪曲だ。彼が選択した排除だ。彼が屈折して歪曲する。そうであるから彼の作品に見られる事実は彼が選択して排除し、彼が屈折して歪曲した事実だ。
繰り返して言うが
したがって小説の中で私たちが発見しなければならないのは、破片の中に隠された作家の内密な声であり、
李承雨 金順姫/訳『生の裏面』
わたしの「を」や「する」が「が」になっていく。「が」が外側にあってそこにつながりにいくのではなく、私がしないこと、私が選ばないこと、私ができないこと、もう分かったこと、分かっていたことが分かり少し外へ出ること、受動的であろうとすること、が、何かに連なり依存してゆくための独特の「が」をぬるっとつくりだし、押し出し、わたしから離れる。離れた「が」を杖にわたしが息をする。