日記

とみいえひろこ/日記

2023.12.01

『水いらずの星』越川道夫/脚本・監督。映画の日、観に行った。すっごくよかった。

それでいい、わたしも。

曲げたスプーンの数繰り返したのかもしれないし、化かし合いだったのかもしれない。でも、思ったことはすべて確かにあったことで、わたしは癖でひとつながりにしか今のところ考えられない。はじめてここに閉じ込められて思うことができる気もする。今日の昼話したことのつづきを考えながら観ていた。もうずっとこれでいいのだと思う。日付けにも数字にも意味はあって、帰ってからつづきのひととつづきのことを話せた。最初からこうだったらよかった、とも思うけれど、それはこれがなければやっぱりできなかったから、しかたのないことだ、とまた思う。御堂筋をまっすぐ下ればよかったのだと帰りに気づきながら、クリスマスの青と黄色、銀杏の灯りの下。

話したあとに、話しながら、違う違うと思う。ぜんぶを話さないでよく、考えるのはひとりでいい。最近いつも考えることになるのはキャパシティのことで、話したことがいつも机上の空論になる。違うと思うことになるということ、いつもほかのこともその後ろにわたしのいつもがあってこんな感じだから、こんなことずっとやっていてもキリがないということ、もうこれでいいということはまた聞いてもらおうと思う。

 

山下澄人『フィクション』、小西真理子 河原梓水/編著『狂気な倫理―「愚か」で「不可解」で「無価値」とされる生の肯定』、小山内美智子『あなたは私の手になれますか』『車椅子で夜明けのコーヒー―障害者の性』、『松岡政則詩集』、四方田犬彦『世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020』など。『初恋、ざらり』『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』配信で。