日記

とみいえひろこ/日記

日記 書かないことを書かないための

2024.01.13

変わったこと。Aについては、それでもじりじり進んでいるということ。Bについても、たぶん。Bに関わるわたしの関わり方やそれ以前のことについても。 それから、Cについても。 AとB、そのほかの出来事のなかで、放ったらかしではかろうじてないとわたしが思…

2024.01.13

Aについて、時間内で、今の力でできるかぎりのところまで。終えて、 Bについて、名前と道のりがぼんやり見えて唐突に嫌になった。Aをとりあえず終えて疲れたからだと思う。もうほんとうに嫌だ。そして、嫌、で、それをやめてもいいし続けてもいい、というと…

2024.01.10

今日はざわざわする日。ここ数日の期間は。 王子は女魔法使いのことを知っているのに、女魔法使いは王子のことを知らない。そのせいでラプンツェルは、女魔法使いに対し不正直にふるまっている自分を責める。とはいえ、実は王子に対しても不正直にふるまって…

米口實『流亡の神』

死は絶対不在ではなく不在形式の存在だと、亡き者は「宿るという方法で存在」すると言えます。 高秉權 影本剛/訳『黙々――聞かれなかった声とともに歩く哲学』 「死」の意味するところはとても広く深く、たとえば、絶対に手に入らないものを含むだろう、戻ら…

2024.01.03

数日、黙っているほうの自分が納得いくまで眠る、籠る、という感じでぜんぜん動けなかった。ひとつふたつ名前をつけて、それですんだ気になって、ほっとしてしまう時間が少し。たとえばこういう状況にあれば誰でもそうなると思うし、自分がこうなるのは分か…

2023.12.31

引き換えにするものや、持っておかなくてはいけないもの、何にとって、ということ、切〈れ〉ずにずるずる続くということ、行き来するということ、黙ることと渡すこと、名前によらないもの、まもるもの、まもらないでいいもの、など。必要なら何度も負けて、…

2023.12.30

力尽きてたくさん寝て、それでも、こんな感じになった。 『真白の恋』坂本欣弘/監督。冷え冷えの足を揉みながら。最後にもういちど、もういちど日常が描かれていたところや、どの立場の心情も行動も無理なく描かれていたところがしみじみいいなと思った。ひ…

2023.12.29

きのうの夜、ぎりぎり確かに思ったはずなのに、その表層だけを手応えなくかろうじて覚えているだけ。だからまたすぐ忘れるだろう。こんなに簡単なことなのに。と朝に思う。 どの立場にもわざわざ語らない目的があって、そこは譲れないし見えない、言葉になら…

2023.12.28

三井さよ『ケアと支援と「社会」の発見 個のむこうにあるもの』、中村祐子『わたしが誰かわからない ヤングケアラーを探す旅』、オルガ・トカルチュク 小椋彩『昼の家、夜の家』、小泉義之『弔い・生殖・病いの哲学』など。 こういう時期独特の動き方、這う…

2023.12.27

大人のほうが自由に選べる、決められる。わざわざ与えられず、いけるところまで名無しでやっていける。 どこまでもいけるけれども、どこまでいけばいいんだろうというところから出られないとき、これらのトラブルがどこから来るのか、拾い集めて自分で扱える…

2023.12.25

『ベネデッタ』、観て、すごいすごいと思ってぼーっとして、さらに追い打ちをかけてぼーっとする時間があった。『カップリングの思想』、後半は苦手だった。この感じでいつも、むんむん来られて息をふさがれるように感じてしまう。でも、ベネデッタもカップ…

2023.12.24

冬、静かな冬はとくに、悲惨なもの、直截的なものを読みたい、見たい、と思うみたいだ。 簡単で単純で、分かる、分かっている、と思ってしまうことであるほど、短ければ短いほど、それと向き合おうとすることが、より、途方もないことであるはずだと思う。受…

2023.12.23

ファン・ジョンウン 斎藤真理子/訳『野蛮なアリスさん』、井坂洋子『七月のひと房』、丸山健二『我、涙してうずくまり』、村瀬学『カップリングの思想 「あなた」の存在論へ』、目取真俊『面影と連れて』、小泉義之『弔い・生殖・病いの哲学』、小池昌代『…

2023.12.20

アキ・カウリスマキの映画、1月で配信終了になるものを続けて観ている。音楽が腹の底と響き合い、悲しくし、こめかみを痛め。働くほど、奉仕するほど、生きるほど、その先にある虚しさに足を踏み入れるだけ。踏み入れる、そう方向づけられている自らに気づい…

2023.12.16

『市子』戸田彬弘/監督。市子は欲を持ってしまった。欲を持ってしまって、生き延びる。 現実とわたしとを見て、できるだけあらゆる手を使って自由に見て、どのようにやっていくか、付き合っていくか、向き合っていくか。それに尽きるのか。とか、どれだけ追…

2023.12.12

こまかい雨。 時間が経ってしまうこと、経ってしまったこと、忘れるだろうこと、戻ってこないことの切なさ、のようなもの。離れている、会うこともない、その場所でそのひとの現実があって、ある。切ない、と思えることと、切ないと言えること、それをした瞬…

2023.12.10

何年かぶりに、金曜、通勤者の帰宅時間に入る頃に駅にいた、電車に乗った。わたしはぜったいに無理なんだなと、目で見て、あらためてちゃんと理解したことがあった。わたしには無理、ほんとうに無理、しかも、わたしはそこに意味を見つけることができない、…

2023.12.08

『本当に遠い所』パク・クニョン/監督 すべては分からなくても理解できることもある 羊飼いの農場主の父親が、ジヌに言った言葉。相手にとって説明が必要な局面にあって、自分のことを説明した言葉。だと思う。 遠いことで救われることがある。王将の店員さ…

2023.12.07

『兵役拒否の問い 韓国における反戦平和運動の経験と思索』イ・ヨンソク 森田和樹/訳。区役所の待ち時間に。あっけない感じというか、分かる、このことよく知っている。少し高学歴で少しお金に余裕がある状況にいるからこそ抱えるもの、抱えられるもの、見…

2023.12.05

最後は言葉で言わなくては難しいことが多く、ほんとうはもう何も言いたくない。ぜんぶ嘘だった、もう嘘はつきたくない。もう何も言うことはほんとうにない。空っぽがどんどん空っぽになるばかりで、できればずっと黙っていたい。 と、思うときが折に触れてあ…

2023.12.05

つまり、当事者である「あなた」を研究することは、「あなた」が生きている場所から、困難や問題を抱えている「あなた」の内側からの体験について「語る-語られる」という関係ととらえてもよいでしょう。 そして、「語る-語られる」という関係の中で、一緒…

2023.12.02

生理前のどこか数日で、睡眠時間が短くて大丈夫なタイミングがある。そのあと激しく眠いのが来る。 今日の14時頃から、眠くて眠くて何時間か眠って起き、眠って起き、ということをした。ほんとに睡魔というものがいて、身体にのっかかられて抑え込まれるみた…

2023.12.01

『水いらずの星』越川道夫/脚本・監督。映画の日、観に行った。すっごくよかった。 それでいい、わたしも。 曲げたスプーンの数繰り返したのかもしれないし、化かし合いだったのかもしれない。でも、思ったことはすべて確かにあったことで、わたしは癖でひ…

2023.11.28

感情や感覚のようなものについて。たとえば、罪悪感と呼ばれるものに含まれる成分に近いものを感じとって、心当たりがあって、証拠あつめをしてそちらに寄せていく。持っているもので寄せていく手っ取り早い方法は、自分の身をそちらに寄せていくこと。罪悪…

2023.11.27

いろいろ間に合って、それはいろいろ諦めたからで、ただ、ほんとはもっとつめこまないと無理でもあって、こういう時間がふっとあるときに具体的に迷う。 全員寝ていて夜、なんとか間に合ったことがあり、ヘッドホンで曲を聴きながらヤンニョムチキンをつくっ…

2023.11.23

紙を一緒に見る時間を、夜にとった。すっと手にとって、声を出して読み上げたので、すこしびっくりした。自分のものだから、こうすることがふさわしい。そう言っているような時間だった。こういうやり方でそれをやる、スマートにダイレクトにそれをやる。 数…

2023.11.23

選択と排除、そして屈折と歪曲は彼の選択と排除であり、彼の屈折と歪曲だ。彼が選択した排除だ。彼が屈折して歪曲する。そうであるから彼の作品に見られる事実は彼が選択して排除し、彼が屈折して歪曲した事実だ。 繰り返して言うが したがって小説の中で私…

長い八月

のろのろと扇風機回る朝にいてもっと早くに分かりたかった まっすぐで眩しい、痛い 何度でも突き刺してくる光の正しさ たいていのことは悪くは終わらずに何も言わずにそっと去るだけ すずしいね すずしい 囁きあった戸口で別れる前の時間を 長崎の夜景をもら…

2023.11.19

犬に久しぶりにリードをつけることができた。このまま放っておくかもしれないわたし、がうっすら底にいつもいて、それが危うい。それにとらわれる、そういう一人遊びの感じ、だけだと思う。これで保っているのだと思うし、ここにわたしの自由があるのだとも…

2023.11.18

わたしは返しに返した。返しに返して、まだもう何年か返す。終わりが見えていて、終わったと思ったらさらにもう何年か延びるような、気もしている。これが終わらないような気がしている。終わることは、想像できない。 わたしはこれまでずっと、ほんとうに何…